民主党の小沢一郎幹事長が東京地検特捜部の事情聴取を受けたが、もう言い訳は立たないやろう。民主党議員が検察批判をして突っ張っているけど、そういうことはやめてほしい。国民は司法を信頼しておる。ここで司法が腰砕けになったら、日本の国はむちゃくちゃになる。検察はしっかりと「政治とカネ」の問題に片を付けてほしい。
小沢氏も鳩山由紀夫首相も政治資金にルーズすぎる。首相が母親から多額の資金提供を受けた問題が発覚しなかったら、隠れた脱税で終わっていた。小沢氏も土地購入資金を「親からの遺産だ」と言っているようだが、そんなもん国民が本当に信頼しますか? この際、国税庁が査察をかけたらいい。税金の問題がルーズに処理されたら、国民の納税意識に悪影響を及ぼし、また、国家の権威が傷付く。
≪自浄作用ない民主≫
民主党というのは自浄作用がまったく働かないようだ。自民党は長年にわたり衆参両院で多数を持っておったが、それでも独裁的傾向は全くなかった。田中角栄元首相だって田中派以外の派閥が牽制(けんせい)するから独善的なことはできなかった。その結果、党全体としては中道を行き、自浄作用も働いた。
小沢氏のやり方をみていると、「おれの言うことを聞かなかったらダメだ」と言わんばかりの独裁だ。もし、夏の参院選で民主党が単独過半数を取り、衆参両院を支配したら、党主導の独裁国家になる。田中氏がロッキード事件の起訴後に「操り人形」を操ったように、小沢氏が表に出ず権力を振るう。田中氏はキングメーカーではあっても独裁者ではなかったが、今度は小沢氏がただ一人の支配者になるんだ。これは非常に危ない。
それにしても、鳩山さんは悩ましい立場やな。小沢幹事長を辞めさせたら、押さえ付けられてきた松下政経塾出身の前原誠司国土交通相や野田佳彦財務副大臣とかがいっぺんに頭を上げ、党内がダッチロール状態になる。
野田氏や枝野幸男元政調会長、仙谷由人国家戦略・行政刷新担当相は現実の事態をみて物を言っている。だけど、小沢氏は選挙に勝つことだけが目標だ。理想や理念を語るだけでなく、現実の中で矛盾を解決するのが政治だということを、首相も分かっていない。
≪現実的な論議を≫
民主党にはもう一度、現実をみて政策課題を議論してほしい。マニフェスト(政権公約)は良い手段だが、政権を取るための理想主義に走りすぎて現実を無視しておった。特に財政運営の思想が見えない。経済成長期には右肩上がりの経済がすべてを解決してくれたが、経済が停滞している今は先送りが許されない。民主党が重視する貧困層支援は確かに大事だが、成長戦略で全体のベースを上げないと弥縫(びほう)策に終わる。
自民党は、政治の透明性を確保するため、国会で「政治とカネ」の問題を徹底追及すべきだ。そうでないと国民は政治への信頼を失う。返り血を恐れずに戦うことやね。(加納宏幸)
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